2月の子育て情報② スマホをポケットに入れるとなくなるもの……?
毎週金曜日は子育て情報を配信しています。
今月は『スマホ脳』という本を紹介します。
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今回のタイトルの話をする前に、マルチタスクとワーキングメモリの話をします。
気になる人はスクロールしても問題ありません!
【マルチタスクは効率悪い】
マルチタスクとは、複数の作業を同時に行うことです。
一見効率が良いように見えますが、実は効率が悪い方法です。
マルチタスクが効率が悪いのは、集中する先を何度も切り替えると元の作業に集中できるまで何分もかかるためです。
何かを数えているとき、人に話しかけられると数字がわからなくなり、始めから数えなおす。
といった経験だれにでもあると思います。
これこそがマルチタスクが効率悪いという具体例ですね。
一方で、マルチタスクをしてしまう理由もあります。
前回も紹介したドーパミンが人間にマルチタスクを促していくからです。
脳はあえて、気が散るようなことをさせていきます。
それは、人間が危険に察知できるために、気が散ることが報酬になるように脳が仕向けているためです。
【マルチタスクはワーキングメモリにも影響する】
ワーキングメモリとは、作業記憶のことをいいます。
例えば、
初めてみた電話番号などの6~7桁の番号を数秒は覚えていても、数分後には忘れてしまうと思います。
今頭にあることをとどめておくための記憶力のことをワーキングメモリと言います。
ワーキングメモリを研究したとある実験では、マルチタスクを日頃から行う人の方が、実験結果が悪かったそうです。
マルチタスクとは、常に気が散っている状態になり、脳が最適な状態で動かなくなると著者は結論づけています。
【スマホをポケットに入れるだけでなくなるもの = 集中力】
スマホをポケットに入れるだけで、マルチタスク状態になってしまいます。
ドーパミン放出を促すスマホがあるというだけで、脳はスマホを無視することに処理能力を無意識的に費やしてしまうためです。
ポケットに入れるだけでも集中力が途切れるため、机に置いたままにしていても集中力が奪われてしまいます。
他にも、URLのリンクがあるだけでも、気が散るそうです。
これは、リンクを踏むか踏まないか考えることで、意思を費やしてしまうためです。
子どもと関わるときは、スマホは引き出しやカバンにしまっておくことで、子どもとの関わりに集中力を費やすことができます。
試してみてください(^▽^)
参考文献
アンデシュ・ハンセン
『スマホ脳』
新潮社