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とよたキッズステーションブログ

2020.11.09 美里

11月子育て情報①【体罰が法律で禁止された背景】

とよたキッズステーション美里 園長 濱屋です。

毎週金曜日は子育て情報を配信しています。
今月は【しつけ】をテーマにお知らせしていきます。

毎年11月は、虐待防止推進月間です。
園でも、ポスターを掲示しています。

虐待に至る背景を知ってもらうことで、よりよい子育て社会の実現に向けた取り組みをしていくために今回このテーマを選びました。
今回は【体罰が法律で禁止された理由】をお知らせします。

今年(2020年)の4月から体罰が法律で禁止になりました。
これにより、日本は世界で59番目の体罰禁止国になりました。

 

体罰禁止が法制化される大きなきっかけは、親の虐待で子どもの命が奪われる、という最悪の事態が相次いだこと。
2018年3月には東京都目黒区で5歳の船戸結愛(ゆあ)ちゃんが、翌2019年1月には千葉県野田市で小学4年だった栗原心愛(みあ)さんが、いずれも父親からの暴力を繰り返し受けた末に亡くなった。
父親らが「しつけだった」などと供述したことが報じられると、「しつけ」と称した暴力を許してはならないという世論が高まった。
近年、体罰が子どもの成長や発達に与える悪影響が知られるようになったことも、法制化の議論を後押しした。
こうして児童虐待防止法と児童福祉法の改正法が2019年6月に成立、法に「児童のしつけに際して、体罰を加えてはいけない」と明記された。※1

体罰が法律で禁止されたからといって、罰則があるわけではありません。
これは、『虐待した人を追い詰め責め立てる法律ではなく苦しい状況の人をみんなで支えますよと伝えるための法律』
と厚生労働省のガイドライン作成者の方が名言しています。※1

 

【体罰禁止を始めてした国スウェーデンの今】
1979年にスウェーデンは、世界で初めて体罰を禁止にしました。
法律ができる前の1960年代には、体罰を用いる人も9割以上でした。
しかし法制化から40年近くたった2018年には、いずれも1~2%まで減っています。※1

 

【しつけが体罰に繋がる背景】
日本では、「しつけのために子どもを叩くことはやむを得ない」という意識が根強く存在している。
ある調査(※1・2)によると

しつけのために子どもに体罰をすることに対して、

積極的にすべき  1.2%
必要に応じてすべき  16.3%
他に手段がないと思ったときにすべき  39.3%

決してすべきではない 43.3%

という回答があり、しつけをするために体罰を容認するという声が約6割という結果になりました。

 

スウェーデンも体罰禁止を法制化する前、体罰を肯定的にとらえている人の比率は6割だったそうです。

 

日本も体罰がなくなるまで、40年かかるかもしれませんね。

 

【参考リンク】
※1

「しつけ」でもダメ!4月から体罰は法律で禁止されました 世界で59番目 子どもへの暴力のない社会へ、意義と課題は

※2「体罰等によらない子育てのために~ みんなで育児を支える社会に ~」
厚生労働省より
https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/minnadekosodate.pdf